中国茶というと工夫茶をイメージされる方が多く なんだか難しそうに思われますが、工夫茶自体はもともと 明から清代の福建省で、主に青茶(烏龍茶)を淹れる方法として 始まったと言われ、その当時はもっと簡単だったのでしょう。 現代になって日本の茶道なども参考に 茶芸としての工夫茶が広がり、青茶のみにとどまらず 緑茶やジャスミン茶など様々なお茶を 工夫茶風に淹れるようになり、それ故、実際には『こうでなくては…』といったものがある訳ではありません。 お茶の持つ本来の味や香りを楽しむ事こそが大切なのです。 お茶の香り、心と身体にひろがる味、麗しい気を自由に楽しみ下さい。 そして何よりも大切な事はリラックス… 忙しい毎日だからこそ、お茶とのひととき ほんの少し、ほんのいっときでもその時々の季節を感じ、想い、自然に寄り添って過ごすことが 素敵なことだと思います。
中国茶の淹れ方って…
思いつくだけでも、いくつか入れ方や楽しみ方があると思いますが ここでは初心者の方でも淹れやすい一例をお話しますね。
80度〜95度位のお湯を再びなみなみと やはり勢い良く注ぎます。
茶葉の個性によって違いますが10秒〜120秒蒸らします。ここの勘所は毎日お茶を淹れている人には敵いません。
蒸らし終わったらお茶を茶海(チャカイ)へ全て注ぎます。 これは茶杯(チャハイ)に注ぐときにお茶の濃さが均一になると共に、お茶の蒸らし過ぎで渋みが出てしまうことを防ぐ為です。 このときに茶台(ちゃこし)があれば使っていただくと、茶杯に注ぐときに余計な茶葉が入らずにすみます。 お一人でお飲みになる際も、茶壷の中にお湯を残さず、茶杯に注いで残ったお茶は別のカップなどに移しましょう。
中国茶は紅茶のような大きなカップでいっぺんに飲まず、小さめの杯で煎れる度に変化していくお茶の香りと味をご堪能下さい。 茶葉の種類や品質にもよりますが5〜7回繰り返してお茶をいただけます。 だんだん、お茶と会話するように、少しずつ茶壷の中に ながく置いてあげて下さい。
お茶の温度は?
高すぎると苦くなりやすく 反対に低すぎると香りや味が充分に出ません。 中国茶も緑茶は日本と同じく、低めが良く 紅茶は100度で入れましょう。
蒸らし時間や茶葉の分量について
茶葉にお湯を注ぎ、楽しむごとに それはお茶との会話にもなっていて、 自分の好きなそして自分に合う茶葉の量や蒸らし時間も、 いつの間にか気づいたら分かっているはずです。 その日の気分や感情にも耳をすませ、その時々のお茶を味わいたいものです。 これってすごい贅沢な事だと思うのです。
茶道具について
決して肩肘張らないのが、中国茶との付き合いだと思います。 最初から全てをそろえる必要はありませんし 茶器や茶道具とも出会いだと思うのです。 ある日、あるとき、出会って、縁あって、来るべくして来てくれた茶器たち、、、。 そんなお気に入りの茶器が段々と増えるもよし、 フランクにつきあい続けてもよし。 でも必ず優雅なお茶のひとときには違いありません。