武夷岩茶の「大紅袍」が有名になればなるほど、「大紅袍」だけが売れて、他の名茶が売れなくなってきたことが原因かもしれません。商業文化としての茶販売の影響でしょう」と有名な先生がおっしゃっていました。

そのとおりだと思います。現在、武夷山のお茶を分類すると、「武夷奇種」「武夷水仙」「武夷肉桂」「武夷烏龍」「武夷仏手」に分かれます。さまざまな名前の武夷岩茶は「武夷奇種」に分類されるということです。「大紅袍」として売られている現在のお茶は、「武夷奇種」のブレンド茶なのです。

これで、幻の名茶と言われた「大紅袍」が、どこの店にも並ぶようになった秘密がおわかりになったかと思います。
大紅袍を扱うには長年の経験と生産者との信頼関係が必要です。
実は今回仕入れた『四代大紅袍』私の大好きな『肉桂』によく似た丸みを持ったすごく美味しいお茶です。ひょっとしたら生産者が最高級の『肉桂』をブレンドした可能性も否定できません。
なぜなら最高級の『肉桂』は四代の何倍もの価格のお茶ですから、『四代が足りないのでこれなら許してもらえるだろう』と考えたのかもしれません。
それくらい自信をもって美味しいお茶です。